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入選作品

受賞一覧

グランプリ
立体漉和紙ペンダント照明器具 YAMA
園部 竜太(SONOBE DESIGN OFFICE) / 東京都
近畿経済産業局長賞
Hot Carton Can
川島 優(Studio .00) / 東京都
大阪府知事賞
SOLAR SUCKER
加賀 大喜 / 東京都
大阪市長賞
現代建築に調和する提案型LED照明システム。LOOP
弓田 敦 / 東京都
優秀賞
Lunch Communication Tool
嶋 淳子 / 愛知県
優秀賞
測れる段ボール
酒井 雄大&吉田 龍司(SLYME) / 大阪府
優秀賞
Soft Heat
中里 洋平 / 東京都
優秀賞
無限鉛筆
正徳 理栄子 / 大阪府
優秀賞
distep  ーdisplay x stepー
廣田 倫央 / 東京都
優秀賞
Conect
丁野 博行 / 愛知県
優秀賞
額和紙 〜GAKUWASHI〜
橋本 崇秀 / 兵庫県
優秀賞
Paper place 紙のある場所
嶋田 康佑 / 京都府
優秀賞
Hinoki Basin + Faucet
小林 雅之(studio vaersgo) / 東京都
優秀賞
POWER ring
大口 進也 / 千葉県
企業賞:大阪ガス株式会社

パッと見ただけで、
ON/OFFがわかりやすい、ガスの元栓

白木 ゆみ香 / 東京都
企業賞:サラヤ株式会社
HAKO (箱が香る→はこ〜)
近藤 涼太&森 良子(コノコデザイン) / 岐阜県
企業賞:株式会社グルマンディーズ

pockecha(ポケットチャージ)
携帯電話ケース型充電器

松本 愛&成田 友紀(narita yuki × matsumoto ai) / 神奈川県
企業賞:有限会社﨏田精密
光の柱
福定 良佑 / Milano Italy
企業賞:サンコーマーク工業株式会社
glassmarker
古庄 良匡(株式会社 小鳥来) / 東京都
企業賞:株式会社サンワカンパニー
「月日(年輪)の美」
藤井 真哉 / 埼玉県
企業賞:大成建設株式会社
TSUMIKI
細川 雅紀(machitabi) / 山梨県
企業賞:谷口和紙株式会社
Torso Light
ナカジマ ミカ / 京都府
企業賞:株式会社ポッカコーポレーション
SUSURU
大鋸 幸絵 / 東京都
企業賞:マックスレイ株式会社
SMALL PAPER LIGHT
大木 陽平 / 東京都
企業賞:ミズノ株式会社
ECO Ball
徳田 彩子 / 神奈川県
企業賞:株式会社メックecoライフ
チューブ型蓄熱タンク
澁谷 雄一 / 東京都
企業賞:森田アルミ工業株式会社
携帯お掃除セット
齊藤 和男 / 神奈川県
企業賞:山本光学株式会社
WING cycle helmets
小嶋 健一(trythink-grid) / 福岡県
企業賞:株式会社ユニオン
廃タイヤを利用したラバー素材のハンドル
荒木 遥 / 京都府

グランプリ

title立体漉和紙ペンダント照明器具 YAMA


園部 竜太
東京都
(SONOBE DESIGN OFFICE)

コンセプト

従来光源と和紙を組み合わせた照明器具は、熱損傷の恐れから、ランプと和紙の距離を取る必要性がある。又和紙は通常平面状であり、それを貼合わせ立体的に照明を作ると形状は球や楕円形状に傾倒し、通常複雑な構造は難しい。
その熱損傷の問題と従来の和紙照明の製造法では不可能な、新光源と立体漉和紙の技術から導かれる形状を環境配慮を主眼に置きつつ生み出したいとの考えからスタートした。
その解決として立体漉和紙で異なる2つの円錐構造を一体化したセードを作り、間に発熱量の少ないLEDを使用し発光させる発想に至った。その為和紙部分が薄く見え消灯の際には内部に光源が無い様な・一見照明には見えない・和紙のみがフワリと浮いた様な印象を与えている。環境についてはLED使用や金属材の軽量化・LEDの放熱板を構造と共通にする等で省エネ・低エミッションが図られている。点灯時は光が主に中央に集中し十分な明るさを確保出来、実用性と実現性の高いデザインになっている。

講評

2つの傾斜角の異なった円錐形を重ねると、外部からは気付かれないトリッキーな断面空間が生まれる。この空間にLED照明を配置することで、あるべき部分に電球がないデザインが完成するのである。今回使用されているLED灯具は、環境負荷が低い半面、直接光は無機質でニュアンスに乏しい。そのためLEDのランプイメージを隠すこと、型が抜けない形状をどう作るかという製造上の問題があったのだが、この2つの問題を、谷口和紙の技術である立体漉和紙によって見事に解決している。クラフト的な和紙の使い方が多い中、先端の技術を応用しながら和紙の利点を最大限に生かしているところも素晴らしい。デザイナーと和紙メーカーが商品化を目指して、スタートを切ったと聞いている。新しい和紙の表情がLEDによってどう表現されるか、楽しみなプランである。
(審査員:ムラタ・チアキ (株)ハーズ実験デザイン研究所/METAPHYS 代表取締役)

近畿経済産業局長賞

titleHot Carton Can


川島 優
東京都
(Studio .00)

コンセプト

温めて飲むことに特化させたカートカンの提案です。環境に優しいカートカンを普及させることで、今以上のエコを目指すことを考えました。
カートカンの特性の一つである電子レンジであたためられるという点を活かし、ホットで飲むことに特化した商品の展開を提案させて頂きました。
このカートカンは側面を二重構造にしてあります。外側にはエンボス印刷を施した紙を使用し、その凹凸により内側の紙との間に空気の層をつくります。これにより温めたときの保温性を高め、また手で持ったときに熱くないのでしっかりとホールドでき、凹凸は滑り止めの役割も果たし安心して飲むことができます。エンボスをレモンの皮や皮革に見立てることで、しずる感や高級感を演出しました。
大抵のホット飲料は買ってからその場ですぐに飲むことを想定しています。そんななかで自分で温めて美味しく飲むことができるカートカン飲料は自宅や職場での買い置きようとしての需要が見込めます。また陳列の際に温めたり冷やしたりしておく必要が無いという点は店頭での省エネにもつながり、買ってすぐ温めてもらえるコンビニでの販売にも適しています。
既存の125ml/195mlサイズに加え、スープ用の広口容器やタンブラー型への展開などが考えられ、またエンボス以外の特殊印刷と組み合わせることで他商品との差別化やよりターゲットに合わせたパッケージをつくることが可能です。

講評

紙を利用し、電子レンジで温めることができるカートカンの外皮の2重構造+エンボス加工デザインの提案を評価する。空気層による保温性の向上、エンボス加工による構造的強度の増加・滑り止め機能がある。多様なエンボス加工は内部の商品イメージを表現し、幅広いアートメッセージを発信するであろう。
(審査員:池上 俊郎 京都市立芸術大学美術学部教授/NPO法人エコデザインネットワーク理事長)

大阪府知事賞

titleSOLAR SUCKER


加賀 大喜
東京都

コンセプト

最近ではソーラー発電を用いた携帯電話用の充電器を量販店などで目にするようになりました。多くのものは携帯電話に取り付けて持ち歩くストラップ型です。一見便利そうに感じるのですが、生活の中で携帯電話を日の光に直接当てる環境は少なく、発電効率が悪くなってしまいます。このようにソーラー発電の携帯電話用充電器は、まだ発電シーンが生活に馴染んでいないものが多いのではなでしょうか。
「SOLARSUCKER」は生活の中で身近にある窓を電源とすることで、オフィスで仕事をしながら、カフェでお茶をしながら、車の運転をしながらなどの様々なソーラー発電シーンを提供します。

講評

太陽光発電というと、どうしてもアウトドアの設備を考えてしまう。小型の発電機や充電器はあるにはあるがまだ過渡期的な製品が多く、屋内に置いて太陽光を受けるという使用状況の設定がリアリティに欠けるため十分に実用的とは言いがたい。この提案は、窓という本来外光を取り入れるために設置された開口部のガラス面に吸盤で張り付けておいて、太陽光を効率よく吸収して電気エネルギーとして蓄える小型の携帯電話用充電器である。小型軽量化などの技術的課題もあるが、将来的には日当たりの良い窓にいくつも張り付けておいて、充電が済んだものから使って行くという情景が想像できて楽しい。変換効率の向上とケータイデバイスの省エネ化が相まって、実用化もそれほど遠くないと思われる。
(審査員:益田 文和 (株)オープンハウス/エコデザイン研究所 代表取締役 デザインコンサルタント)

大阪市長賞

title現代建築に調和する提案型LED照明システム。LOOP


弓田 敦
東京都

コンセプト

「天井からの美しいライン」をコンセプトにしたサスペンションライトシステム「LOOP」。
特長的なフラットなケーブルは、あたかも紙テープが空中に舞うような「動」の表情や、天井から美しい直線で「緊張感」を生むことができます。「LOOP」では、この美しいラインを創るためにケーブルに「バネ材」を内蔵させ適度な張りを持たせることで実現しています。さらには釣り道具からヒントを得たクリップシステムで様々な形態を空間に描く事もできるのです。
本プロジェクトにおいては「エコ」を前面に出すのではなく「LOOP」を選んだ結果「エコロジー」につながったというのが理想的です。

講評

省エネルギーな光源として急速な市場展開を見せるLEDランプを使用した線状の灯具である。薄い平面的な電源ケーブルそれ自体が緊張感を持ち小さなLED発光体と一体である灯具である。LEDの光源の開発は今後ますます進化する。光源の性能に関して明確でないことが少し残念である。しかしスチールバネ材を利用した緊張感を持つ美しい線状灯具「LOOP」の生活空間への有効な展開を期待し評価する。
(審査員:池上 俊郎 京都市立芸術大学美術学部教授/NPO法人エコデザインネットワーク理事長)

優秀賞

titleLunch Communication Tool


嶋 淳子
愛知県

コンセプト

コンセプト:
テイクアウトなどに使用されているパッケージの手軽さをイメージし、繰り返し使え、持ち運ぶことができるランチ用のお弁当ツールです。
作品の説明:
「食」を通じて生まれるコミュニケーションを基とし、より美味しく、楽しい食事をするためのツールです。
PALM PLATE.やFINGER PLATE.は、片手の平に収まり、取り皿の様に食べ物を受ける役目をしています。また、食べ物を挟んだり受けたりする際に手の平や指の間隔をイメージし、形を工夫しました。
このツールを使うシーンでは、次の様なランチスタイルを楽しむことができます。
まず、食べたいもの・お家にあったものなどを各自が持ち寄って、様々な材料を自由に組み合わせて食べることができるホームパーティです。また、試食会や立食パーティのビュッフェを楽しむ際にも使用できます。
ONIGIRI PACK.やSANDWICH PACK.は、その名の通り、おにぎりとサンドウィッチを入れるためのツールです。組み立てる事で形が完成し、自宅から持ち運ぶことができます。また広げた状態にして、お皿のように使用できます。使った後は洗って、拭き取り、繰り返し使うことができます。
これらのツールの特徴は、テイクアウト用パッケージのような手軽さと便利さを考慮し、一度でゴミとせずに洗って何度でも使用できるということです。
また、これらのツールを使う背景には、より多くの人と会話を交わし、食事を通じてのコミュニケーション(団欒)を大切にして欲しいという思いが込められています。

講評

食のテイクアウトによって生じる包材の廃棄という問題を、生活を楽しめる方法で解決しようとする姿勢に好感が持てる。繰り返し使える点だけでなく、お弁当を気軽にシェアすることでコミュニケーションを生むという、食のスタイルの提案になっている。液体の出る食品への対応は難しそうだが、手に心地よくなじむ使いやすい素材の選択や、構造の細部のツメによって、新しい時代のポータブルな食器になりそうである。
(審査員:左合 ひとみ (株)左合ひとみデザイン室 代表取締役)

優秀賞

title測れる段ボール


酒井 雄大/吉田 龍司
大阪府
(SLYME)

コンセプト

提案の内容:既存ダンボールに方眼を印刷することにより生まれる、新たな可能性。
提案の実現性に対する考え方:
日本でダンボールが誕生して約100年。現在まで形状等の変遷はあれど、機能自体は大きく変わることなく受け継がれている。理にかなった構造の優秀な素材であるダンボールは、主に運搬時の梱包資材として利用され、役目を終えるとすぐに破棄されることが多い。そこでこのダンボールは、表面に10mm間隔の方眼を印刷することだけで、使い勝手をはるかに向上させることを提案する。
まず第一に、配送時にかかる料金を、メジャーを用いることなく印刷された方眼を頼りに、簡単に判別することができる。
第二に、配送伝票や宛名を書く際に、方眼に沿うことで迅速かつ丁寧に作業を行うことができる。
第三に、保管しておいたダンボールを使う際、内容物に合わせて資材の大きさを変えることはよくある経験だろう。しかし現行の無地のものでは困難で、結果不細工な仕上がりになってしまうことが多い。方眼が印刷されているだけで、この作業も簡単である。
最後に、現状、梱包資材としての役目を終えたものは破棄されることがほとんどである。このダンボールは、最終的にカッターマットとしても利用が可能で、リサイクルされるまでにもう一つの役目を与えることができる。
方眼の印刷一つで、革新的にストレスを解消できる、新しいダンボールの提案である。

講評

段ボールに10mm間隔でグリッドがある状態というのは、サイズが一目で把握できるという利点はもちろんのこと、再利用を自然に促す外見になっているという良さがある。送りたいものに合せてカットする行為を速やかにし、切れ端になるまで何度も使用できる。荷造りテープや送付状を貼る際もグリッドに合せることができ、書類を送るための台紙にする際も便利そうである。ただ、機能がそのままデザインになっている点は評価に値するのだが、印刷インキを加える行為であるために注意が必要。まず、リサイクルのために印刷する面積は必要最小限にするべきである。提案されている試作品の画像は2色使用されているが、50mmごとのグリッドを同色の太い線にしたり、点線と実線の違いで表現する等の工夫によって1色にすることができ、インキのロス、インキを替える際の洗浄、手間が抑えられる。リサイクルのためのデザインであるからこそ、余計なものを削ぎ落とすことは必須である。
(審査員:左合 ひとみ (株)左合ひとみデザイン室 代表取締役)

優秀賞

titleSoft Heat


中里 洋平
東京都

コンセプト

衣類やひざ掛けなどを手軽に掛けたり詰め込んだりできるポケットスペースの付いた温水式パネルヒーターの提案です。
あったかい毛布にくるまる、あったかいタオルを使う、あったかい衣類を着る...
住空間では空調以外にも肌で感じられるやさしい温もりが存在します。
温水式ヒーターならではのシンプルな繊維への熱利用をリビングなどの空間でも活用できるようなかたちを目指しました。
暖房機が単なる室温調節の道具ではなく、生活シーンを気持ちの面からもあたためてくれるような
ものであったらと考えました。

講評

ポケットスペースの付いた、パネルヒーターの提案である。日本ではあまり利用されていないパネルヒーターである。ヨーロッパでは美しくさりげないパネルヒーターが生活シーンを暖かく楽しくする要素として市場に幅広く展開している。中国ですら市場は進化している。温水式にこだわる必要性、あるいは閉鎖的なポケットなど改良進化の余地はある。しかしプロポーションの整った温かみのあるデザインを評価した。今後エネルギー利用の有効な展開において、シンプルな熱利用は電気とのハイブリッドな分担の課題解決要素である。生活シーンを気持ちの面からもあたためることを意図した“Soft Heat”に期待する。
(審査員:池上 俊郎 京都市立芸術大学美術学部教授/NPO法人エコデザインネットワーク理事長)

優秀賞

title無限鉛筆


正徳 理栄子
大阪府

コンセプト

 短くチビた鉛筆。ホルダーを付けたり、テープで繋げたりして長さは延長できますが、鉛筆削り機に入らないうえ、鉛筆それぞれにホルダーが必要となるので、結局は扱いにくくてゴミ箱行きです。卓上鉛筆削り機の場合、使用できる長さは、短くても数センチ以上。鉛筆の長さが約18センチだとすると、1/3も廃棄していることになります。
これらの鉛筆を最後まで使えたら、膨大な量の木材資源の節約、製造、廃棄に関わるエネルギーの節約、消費者にとってはお金の節約、ゴミの削減につながります。
そこで、鉛筆自体をねじ状に加工し、どんどん繋げて延長できるようにします。付属品を使わず、鉛筆そのものの形状を維持したまま、誰にでも簡単にできる方法です。また、使い切る事の達成感、鉛筆をねじ回して繋げる作業の楽しさも提供します。
 子供向けには、柄を施して、新しい鉛筆を繋げた時、柄も繋がっていく楽しさも取り入れます。繋げれば完成するように、占いやことわざ、数式等を入れて、知的好奇心を引き出してもよいです。
 また、両端を削れば、色鉛筆と鉛筆、HBと2B等の異なる種類の鉛筆を組み合わせることも自在です。

講評

鉛筆の長さには、削れる限界、持ちやすさの限界がある。鉛筆ホルダーを使ってもすべてを使いきることは出来ないのが現状だ。これをユニークな方法で解決したのがこの無限鉛筆。通常より短い鉛筆がセットになっていて、両端は凸ネジ側と凹ネジ側に分かれる。つまり、短くなってくると新しい鉛筆をねじ込んで連結することで、持ち手や削りしろを確保することが出来るのである。また、通常の鉛筆より短くすることで、連結時の2つ分の長さが通常の鉛筆よりも長くなる問題を解決し、削り方向のトルクによる緩みの問題も、連結部が絞まる方向にねじ切りをするなどよく考慮されている。あまり使わなくなってきた鉛筆に、なぜ敢えて挑むのだろうか。それは、鉛筆の小さくアイコニックなカタチが、エコアイデアのウィットと相まって、見る者に感動と啓発を与えると考えたのだろう。小さなエコの意識を可視化することで、大きな意識への啓蒙を果たす、そんなキュートなプランだと思う。
(審査員:ムラタ・チアキ (株)ハーズ実験デザイン研究所/METAPHYS 代表取締役)

優秀賞

titledistep  ーdisplay x stepー


廣田 倫央
東京都

コンセプト

アルミハニカム板を使用した、軽快な印象の一般家庭向け脚立兼飾り棚。
収納されている事の多い脚立に、飾り棚としての機能を持たせることで普段使いに。
アイテムの共有化や収納スペースが削減できるなど、アルミ製であること以外に、脚立を常に使用することにエコを見いだした。
脚立=道具のイメージがあるが、distep=家具の位置付け。
普段はスリムな飾り棚として壁に立てかけ、必要とあらば脚立として活躍する。
脚立ではなく、脚立としても使える家具との認識。
インテリアに馴染むよう、一般的な脚立を連想させないデザインとしながら、ステップ面には十分な奥行き寸法を持たせ、安定した作業が可能。
高いリサイクル性を持つアルミを使用する事によって、木製家具にはない薄さ、軽快感と、樹脂製品にはない高級感を持たせ、リビングの新たなエコアイテムとして楽しんでもらいたい。

講評

脚立は使っている時間よりもしまっておかれる時間の方がはるかに長い製品である。アルミを使ったシンプルなデザインにすることで、収納しなくても部屋の中でインテリアアイテムとして使える。また、展示棚としての機能も兼ね備えているので脚立として使っていないときはちょっとした飾棚として使うことができる。いや、むしろ必要な時には脚立としても使えるディスプレイラックだと言った方が正しいのかもしれない。問題は脚立として使うときには棚に乗っている全てのものを一旦下ろして、使った後また並べなおさなければならないということである。斜めに壁から出っ張ったような形で置かれるのも安全性の点から検証されるべきであろう。せっかく素材に再生可能なアルミを使うのに、塗装をしてしまうのもエコデザインに反するのでアルマイトによる着色など工夫が必要だろう。
(審査員:益田 文和 (株)オープンハウス/エコデザイン研究所 代表取締役 デザインコンサルタント)

優秀賞

titleConect


丁野 博行
愛知県

コンセプト

反対側の空間の内部をドアを開けずに確認をすることが可能なドアハンドルです。
素材は本体は主にアルミニウムなどを使用し、その他にはハンドル部に感温材・ハンドル周りの窓にはポリカーボネイトクリアカバーなどを使用します。ハンドル周りのクリアカバーは魚眼レンズのように部屋を地球のように映し、また感温材のハンドルは内部の温度に状況を知らせます。これにより、省エネを心掛けたい家庭にはもちろんながら企業の会議室・オフィスなど多数の部屋をもつビルにも適し、様々なユーザー層にフィットします
。形状は地球をイメージし、両側に丸みのあるクリアカバーをとりつけます。
球形状のカバーはエコ素材である環境素材も視野に入れ低コストを考え、安い素材の場合では透明度ではなく厚
みや濁りによる変形する景色を楽しめればとおもいます。

講評

隔絶された2つの部屋を気配でつなぐこと。これによって、解決されるべき問題が実に多いことに気づかされる。ドアの開け閉め時に起こる衝突、過剰な冷暖房、明かりの消し忘れなど。いずれも、そのデザインの工夫だけで解決され、環境負荷を大きく軽減することができるというものだ。感温レベルを色で表すことで、向こう側にある部屋の室温を伝え、過剰な冷暖房を気づかせる。また、透明な窓をドアノブ周りに配置することで、人の気配を反対側から察知できるようにし、衝突を避けるように考えられている。また、これによって、反対側の空間から部屋の明かりが確認できるために、明かりの消し忘れが防げるという機能も達成したのである。ただ、実際には、この機能を実現するための感温機能の具現性や材料選定、意匠性の確認は取れていない。家庭の中からの小さなエコを実現するために、是非、具体的なチャレンジに挑んでほしいアイデアだ。
(審査員:ムラタ・チアキ (株)ハーズ実験デザイン研究所/METAPHYS 代表取締役)

優秀賞

title額和紙 〜GAKUWASHI〜


橋本 崇秀
兵庫県

コンセプト

これは額縁と一体になった和紙の画用紙です。
和紙を半紙としてだけでなく、画用紙としても使用することで和紙の可能性が広がるのではないかと考えました。
半紙のように何枚も書く使い方ではなく、描いたモノを大事に保存しておきたくなる商品を目指しました。
1枚の用紙の大切さを知ることで資源の貴重さを学んでくれればと思います。

講評

栽培された原料からつくられる環境に優しい和紙を、額縁付きの画用紙に仕立てることで、使い捨てでなく丁寧に使う作法を促している。額縁部分が高くなった一体型の形状に白い和紙の質感が美しく、額縁の部分にも装飾を加えられる点などが、通常の画用紙と額縁の組み合わせと異なるポイントで、額縁の資材を省くことにもなっている。型押しによってそれほど手間とコストがかからなそうな簡便さも好ましい。
(審査員:左合 ひとみ (株)左合ひとみデザイン室 代表取締役)

優秀賞

titlePaper place 紙のある場所


嶋田 康佑
京都府

コンセプト

普段私たちが、何気なく使用している紙を用い、空間を作ることで身近な紙がすばらしい空間に変化し、普段使い捨ててしまっている素材の使い方の多さを実感する。また紙という身近な素材に着目することで日常の中で、見落としがちな素材がもつ美しさを表現した仮設の空間を作成しました。
すべて紙素材で制作しました。素材に直接取り組むことで、感覚が高められ建築空間において人間のレベルで体感することを可能にしました。
ペーパーハニカム構造を使用し、フレキシブルな機能を持たせ、使う人の場面に応じた調節を可能にしました。伸縮自在な構造により、空間を柔軟に使い、造形美に富む空間となります。
移動式仮設空間は、瞬時に生まれるのです。必要なときにつくり出され、その行為が終了したならば、直ちに取り壊される。
空間も、瞬間に生まれ、瞬時に消え、もとの自然の空間に戻る。こうした仮設性こそ「時」の凝縮されたものであり、「いま」という時間を濃密なものにするので、限られた空間を最大限に利用します。生活パターンや時間の経過で変化する、様々な人、用途に合わせて姿を変えていきます。
紙でありながら室内外で使える持続的なモノを考えています。
使い古した味を堪能した後、使用不可能になれば家具は大地に帰れるよう処理をし、ゴミとしてではなく生態系のサイクルの一部に合わせて処分します。何気なく使用する家具から、リサイクルされた紙の重要性を実感する空間である。紙自体が再生紙なので材料の有効利用ができます。

講評

再生紙で作られたペーパーハニカムを利用するフレキシブルな造形を可能とする基本素材の提案である。アコーディオンのような伸び縮みがハニカムコアの構造により発生する。平面的な広がりを基本として、扇子状の展開・円錐状の展開・波状の展開を試みている。機能的には家具として、仕切り・座面・テーブル等に仕上げている。ハニカムの特性である基本形が数倍に面的拡大を行うこと、その時に現れる構造の自由な自立性と間隙の美しさを活かしている。木材・マグネットシート・ワイヤなど限られた要素によりローテクなしかけで持続性のある空間を生み出す視点を提案したことを評価した。伝統的な和空間を継承している点も評価する。
(審査員:池上 俊郎 京都市立芸術大学美術学部教授/NPO法人エコデザインネットワーク理事長)

優秀賞

titleHinoki Basin + Faucet


小林 雅之
東京都
(studio vaersgo)

コンセプト

提案の内容: 日本の木を活かし、森を育み、風土を守る為の「洗面器と水栓」
提案の実現性に対する考え方:
檜間伐材を使った洗面器と混合水栓。
木製品は水廻りに向かないとされ、現在では金属やプラスチック製が殆どです。無機質が当たり前になっているものこそ、木製品に換えることで、なんとも温かみのある心に響く製品になり、水廻りの新たな方向性に繋がるかもしれません。
檜は「火の木」と言われるほど、乾燥を好み、水にとても強く、古来より水廻りにもよく使われています。檜は世界に誇れる優良材であり、国内では杉に次いで多く植えられています。森林を守る為にも間伐は必要なので、それを活用しない手はありません。水漏れや腐食など問題はありますが、桶や風呂を作る技や、指物・組子などの伝統技術で作り上げることは可能かと思います。
日本の木と技をこれからも大切に受け継いでいくことが、森を育み、風土を守ると考えています。

講評

檜の間伐材で外装を覆った水洗金具と、洗面器のプラン。これは、多くの水回りの部材が、陶器や石材、ガラス、金属でできていることから、とても新鮮に映る。そもそも、檜風呂をはじめ、水に対する用途に強く、抗菌性も高いために水回りにもっと露出していい素材なんだと、あらためて納得させられたアイデアである。洗面器だけに留まらず、水洗金具も檜仕様になっているところに、高いインテリア性を提案できる可能性を示している。また、排水口隠しの檜ルーバーも一体感を上げる意味で素晴らしい。間伐材を使い、金型などを極力減らし、生産、廃棄の環境負荷の極めて低いプランだ。是非、商品化へ向けてメーカーとのコラボを進めてほしいデザインだと思う。
(審査員:ムラタ・チアキ (株)ハーズ実験デザイン研究所/METAPHYS 代表取締役)

優秀賞

titlePOWER ring


大口 進也
千葉県

コンセプト

『エコは大げさなことではなくて、身近に存在していた』
それに気付いてもらうためのエコプロダクトを提案したいと考えました。
一番みなの近くにあって、問題提起できるモノを考えたら、携帯電話がいいのではないかと思いました。携帯電話の充電器で考察していくと、遊びでいつの間にかやってしまう、折りたたみ式携帯電話のパカパカ運動が面白いと考えました。そして、その労力がもったいない、充電に活かせないかなと思いました。
具体的には、まず、反復運動で充電できるように、自己発電式充電としました。次に、形状は円形にしました。これは充電する回転運動のための円形であり、コードを巻き取るための円形です。円の中心をすこしずれて穴が開いています。この穴があることで、指を突っ込んでぐりぐりしたくなる気持ちを操作しています。ハンドルではなくて穴である理由は、ハンドルだと出っ張って鞄に入れたときに邪魔になるからです。携帯電話に付随する物はなるべく小さく持ち運びしやすい方がいいと考えました。側面には、滑り止めのためにリブをつけました。

講評

手回し発電というものは、ほかの人力発電と同様、労働の対価として少しばかりの電力を手に入れるような感覚があって、発電するという行為自体を楽しむなど何らかの価値を感じる場合以外は、非常時用の備えに限られるようだ。しかし、この提案は人の何気ない癖に着目し、無意識のうちに微弱ではあるが発電しているという行為の結果が集積して一定の電力を蓄えるという点でユニークである。一体どれほどの効率でどれほどの効果が期待できるのかは不明であり、おそらく現在の携帯電話の消費電力を賄う性能はないなど技術的な課題も少なくないが、この提案の先には腕時計の自動巻きなどにも通じる古くて新しいエネルギー発生装置の可能性が見えているように思える。
(審査員:益田 文和 (株)オープンハウス/エコデザイン研究所 代表取締役 デザインコンサルタント)

企業賞:大阪ガス株式会社

titleパッと見ただけで、ON/OFFがわかりやすい、ガスの元栓


白木 ゆみ香
東京都

コンセプト

パッと見ただけで、ON/OFFがわかりやすいガスの元栓のデザインです。
太目の赤いラインをデザインポイントに、
ONの時にはラインがピッタリ一直線、
OFFの時にはラインが十字になるよう、
ON/OFFつまみと本体とのバランスを考えデザインしました。
ON/OFFつまみも、より大きくつかみやすくし、
形状もよりシンプルにすることにより、凹凸も少なく、汚れもふき取りやすくなりました。
ガスの元栓は、より安全であるべきです。
パッと見ただけでON/OFFをわかりやすくすることにより、
より安全で安心した生活を提供できると考えます。
またそれにより、こまめにON/OFFする習慣を促進できれば幸いです。
天然ガスは環境にやさしいクリーンなエネルギーです。
小まめにON/OFFすることにより、より安全でエコな生活を!

講評

本作品は、「ON/OFF」の直感的な分かりやすさという安全性を、ガス栓の古臭さが一新されるデザインで表現しています。また、ツマミの操作性や汚れのふき取り易さという利便性にも配慮されています。赤いライン以外に、ガス火をイメージした青いラインも有り得るでしょう。ただ、ガス栓はコストが重視されるため、現時点での商品化は難しいと思われます。

企業賞:サラヤ株式会社

titleHAKO (箱が香る→はこ〜)


近藤 涼太/森 良子
岐阜県
(コノコデザイン)

コンセプト

アロマ製品のパッケージは、どれも華やかで美しい。
しかしそれらは、開封と同時にそのほとんどがゴミとして捨てられてしまう運命です。
美しい装飾が地球を汚すものになってはいけない。
HAKOは、梱包材がアロマオイルを吸収して香りを放つエコアロマ製品です。開封時のゴミはほとんど出ません。
美しいパッッケージが、心地良い香りを届ける。
それが美しい地球での心地良い生活につながっていく事を願って。

講評

主に物品の保護や商品の販売促進を目的とする包装に着目し、テーマであるエコとデザインを結びつけた芳香商品のご提案を頂きました。個装箱の多くは、お客様が商品をご使用される際に廃棄されます。弊社も常日頃から適正包装を心掛けていますが、廃棄物となれば資源・エネルギーの無駄遣いになります。個装箱に機能を与え、消費終了まで実用・効果的に使用する事で、エコと商品価値の向上に寄与すると考えます。

企業賞:株式会社グルマンディーズ

titlepockecha(ポケットチャージ)携帯電話ケース型充電器


松本 愛/成田 友紀
神奈川県
(narita yuki × matsumoto ai)

コンセプト

 「pockecha(ポケッチャ)」は、ソーラーパネル付属のカラフルな携帯ケースです。マグネットでカバンやポケットに装着することができ、ファッショナブルに魅せながら、携帯を充電することができます。
 ビビットな7つの色とシリコンのやわらかいフォルムは、携帯する喜びを生みだします。持ちたいから持ってるものだけど、自然とエコにつながっていく。ファッションとしても、実用としても、”身につけたいエコ”でないと! という、わがままな気持ちを商品にしました。

講評

省エネやエコが叫ばれる昨今、今や誰もが持っている携帯電話に無くてはならない充電器を使ってのエコ。本体の材質は触り心地の良いシリコン製にするこだわりと、持つ人に選ぶ楽しみと個性を出させる多彩なカラーバリエーション。カバンやポケットなどに簡単に身に着けられるようになっている仕様は充電器と携帯ケースとしての実用性を損なうことなくファッションの中にエコを取り入れ、気軽にエコを始めることができる。ネーミングも可愛く、気軽に身に着けたくなる感じが、社会人や学生など非常に幅広い層を取り込むことができる商品である。

企業賞:有限会社﨏田精密

title光の柱


福定 良佑
Milano Italy

コンセプト

屋外照明として、できるだけその存在を主張せず環境になじむことと、ペットボトル再生樹脂に適したデザインであることを考え、この光の柱をデザインしました。太陽光パネル部とLED照明部を縦長のプロポーションにすることで、柱部分と一体となり、シンプルなたたずまいを実現することができると考えます。柱の形状は、パネル部分の回転機能にあわせ、八角形としました。また、柱がスリムに見えることと、45度方向にも光を照射できるという利点もあります。ペットボトル再生樹脂は、この照明の形状を作るのに適した材料であると共に、木を模した質感もどのような環境にもなじみやすいものです。最低限の材料でつくられながら、しっかりと機能する、環境にやさしい照明です。

講評

デザインや基本設計に関してエコマウッドや、弊社の太陽光発電LED照明の利用方法や製品自体の必要性や機能について、しっかりしたコンセプトに基づいて、デザインしていただいたと思います。

企業賞:サンコーマーク工業株式会社

titleglassmarker


古庄 良匡
東京都
(株式会社 小鳥来)

コンセプト

この商品はステッカータイプのパーティ用グラスマーカーです。パーティに行くと、大量のグラスに同じような飲み物が配膳されます。立食などでは飲みかけのグラスをテーブルにおいて、話をすることなどが多く、その際に自分のグラスがどれだったか分からなくなり、結局テーブルにある飲みかけのグラスに口を付けずに新しい飲み物をもらうということもしばしばあります。グラスマーカーはこれまでにも存在しますが、グラスに対して大きく、大量に必要なシーンには使用が難しいものばかりでした。
そのため、このように大会場で注がれた飲み物とグラスを有効に使うためにも、気軽に使える、多種で安価なグラスマーカーの必要性を感じデザインしました。
弱粘タイプもしくは、水溶性の粘着を使い、グラスに貼り付け使用します。水溶性の紙を使い、そのまま洗うことができ、約3〜5時間ほどで完全に繊維が分離します。使い切りタイプであることから、その後の回収や紛失の問題を解決します。また平面であるのでストックにも場所をとりません。グラフィックにも様々なテーマ性を持たせることで、パーティの趣旨に即したステッカーを使用することも可能になります。
使用者に大きな負担を掛けないエコという観点が最大のポイントです。使い切りで、水溶性ということもあり、パーティ会場に持参することも可能になります。そのことで、パーティ会場で必ず起こるであろう飲み残しの問題を来場者が自発的に解決できる商品にもなりえます。本プレゼンシートは「cats」ですが様々なテーマを持たせたグラフィックの多展開戦略が想定できます。

講評

シールを用いて注意を喚起するという、「サインとしての役割」に注目した場合、もし、このような形で普及すれば、飲み残しや食べ残しが少なくなり、「ひとりひとりの行動がエコ」につながると思い、選びました。

企業賞:株式会社サンワカンパニー

title「月日(年輪)の美」


藤井 真哉
埼玉県

コンセプト

「月日(年輪)の美」を感じる壁装パネル
コンセプト
間伐材といっても10年以上(中には70年以上)かけて育ってきた木です。
その月日(年輪)を生かした壁装パネルに触れることによって、時の流れ、その木が育ってきた山や自然を想い、地球環境問題を感じてもらえればと思う。
デザインのポイント
間伐材が育ってきた山をイメージしています。
1つのパーツが1本の木、ベースのパネルは大地です。
1本が10本・100本・1000本になり山を形成しています。
木々の長さを一定にしたフラットな山、曲線を描く山などがあり、紅葉の色、雪を被った色など
様々なバリエーション展開が可能です。


講評

間伐材を単なる木材として扱った作品が多い中、同作品は大きさや形が不揃いであるという間伐材の特徴を上手く捉えていました。またデザイン性だけでなく加工工程や施工方法への配慮が適切で、実現しやすい提案と言えるでしょう。ただし、エコ建材というブランドだけでは商品価値を創造しにくい時代になりつつあるため、意匠性や価格などで更なる完成度の向上が必要となります。このような点は企業側として取り組む必要があると考えます。

企業賞:大成建設株式会社

titleTSUMIKI


細川 雅紀
山梨県
(machitabi)

コンセプト

建築や家具、展示空間などで使われている部材は基本的にスクラップになることが多く、他の用途で再利用されることは滅多にないであろう。これからバランスの取れた自然環境を維持していくためには、現在の社会環境を変えていくしかない。そこで、ほとんどが捨てられてしまっている間伐材に注目して、再利用が可能な部材を考える。
間伐材からつくった幾つかのブロックを積み重ねていくことで壁、塀、パーテションから家具まで必要に応じてアレンジしていくことができる。引越しや模様替えなどの空間の変化に伴って、モノを捨てるのではなく「生かす」ことを前提に考えている。一つ一つのブロックは積み木のように重ねていくと共に、使用者がパズルのように試行錯誤しながら形や用途を考えていく。ブロック自体に塗装や張り紙を施すことによって表情にバリエーションをつけることもできる。
今ここに示しているものは、基本の中の基本となる形である。持続性や多機能性、交換可能といったことを考えると、形や大きさや仕口・綱手のバリエーションはおのずと増えていくだろう。

講評

木材を用いたブロックは、間伐材や端材の利用方法の一つとして有効である。また、仕口を工夫しブロックとして組み上げられるようにしたことは評価できる。しかし恒久的な建築外壁となるような製品ではない。

企業賞:谷口和紙株式会社

titleTorso Light


ナカジマ ミカ
京都府

コンセプト

立体漉和紙は見た目の柔らかさに反し、想像以上に堅牢感があります。立体的に漉くことで生まれたその特性を生かし、ジュエリーを傷つけずに十分な保持力をもってディスプレーするトルソ—を提案します。また、照明としての機能を持ち合わせることで、ストーンジュエリーも内側からの光を通して美しくディスプレー出来ます。ベースにも和紙のお皿を設けているためリングや腕時計などを不安なく置けます。もちろん、ディスプレーしない状態でも、独特のマテリアルとスタイリングによりインテリアグッズとしての機能を十分果たすでしょう。また、立体漉和紙の持つ上質感はジュエリーブランドの店頭ディスプレーとしての使用も可能にするでしょう。

講評

立体漉き和紙は今まで照明器具のシェードとして主に用いられてきた。他の用途についても以前から検討し、テーブルウェアやマネキン(マネキン会社から具体的な引合いがある)は具体的に開発にも着手している。ナカジマさんのトルソーはシンプルであり、細部を詰めれば製作可能性は高くマネキンとしての製品特性も有する。宝飾用マネキンとしてマーケットは十分見込める。原材料も和紙の主原料である楮で、1年間に成長した部分だけを用いる古くからのエコマテリアルであり、リサイクルもなされている。時には灯かりを入れたトルソーの和紙照明として楽しんでいただける提案もしてみたい。

企業賞:株式会社ポッカコーポレーション

titleSUSURU


大鋸 幸絵
東京都

コンセプト

■商品コンセプト:
幼児やお年寄りにも飲みやすいパッケージ改良案
■デザインのポイント:
従来の飲み口をメッシュ状にするととで、すすりながら少しずつのめるパッケージをめざした。
さらに回収のしやすさを改良し、はがしやすい接着剤の改良とパッケージデザインの変更をした。
■想定されるユーザー像:
幼児や介護度が低いお年寄り
特に介護施設など衛生面で配慮が必要なところで普及を見込みたい。

講評

飲み口のメッシュ化については、幼児や高齢者の方がストローがなくても飲みやすいという配慮がなされていて、よいアイディアだと思います。 ただ、カートカンを手で解体できるようにするには、ご指摘いただいているように接着の強度の調整が絶対条件です。容器としての使命である品質保持に対して解体のしやすさをどこまで求めるか、が悩ましいところです。

企業賞:マックスレイ株式会社

titleSMALL PAPER LIGHT


大木 陽平
東京都

コンセプト

LEDの照明について考えたときに、同コンペのテーマ企業にもあった、谷口和紙株式会社様の立体漉和紙の技術と合わせることで、相乗効果的に環境と調和のとれた照明が作れるのではないかと考えました。
この照明は直径20cmくらいの小ぶりな照明で、そして特に目新しい形ではありません。
そこに和紙の立体漉きという他にない技術を合わせることで、既視感のある形ながら新しい物になるのではないでしょうか。
質感やシェードのふちの薄さなどは和紙という素材ならではの物になると思います。
名前もそのまま「SMALL PAPER LIGHT(小さな紙の灯り)」としました。

講評

LEDと和紙シェードの組合せは照明器具としてオーソドックスな手法ではあるが、LEDの光りのネガティブなイメージとしての「人工的な冷たい灯り」(電球色を使用しても、白熱電球とは異なった光である)を立体漉き和紙というフィルターを通すことで、有機的な柔らかな灯かりを表現している点を評価しました。また、形に関しても、普遍的なフォルムでまとめているところが、空間等のデザインテイストを選ばす、使用可能なデザインだと思います。

企業賞:ミズノ株式会社

titleECO Ball


徳田 彩子
神奈川県

コンセプト

子供の頃、ボールを手にしなかった人はいないでしょう。
様々なスポーツに不可欠なボールを通して、子供たちにスポーツとは別の体験をしてもらう事ができたら素敵だなと、
私は考えました。
このボールの中には植物の種が入っています。
使わなくなった時は、ゴミ箱に捨てるのではなく、土に埋める事で新たな命が芽吹きます。
この商品は、身体を動かす楽しさと共に、植物の栽培というもう1つの楽しさを感じてもらうことがコンセプトです。

講評

スポーツブランドとして提供するエコ商品は、やはり「顧客がスポーツシーンをより楽しめるもの」でありたいと考えます。このエコボールは親子が最初に行うであろうスポーツ「ボールの投げあい」のシーンを捉えて、その幸せな時間から、使い終わった後も花を咲かせたり、実の生るのを親子一緒に楽しむという経験まで提供するという夢のあるすばらしいアイデアだと思います。

企業賞:株式会社メックecoライフ

titleチューブ型蓄熱タンク


澁谷 雄一
東京都

コンセプト

 チューブ型蓄熱タンクは、お風呂の廃熱のみを溜めておくタンクなので一般の給湯用の蓄熱タンクより小さくすることが可能です。そこで外部に設置せず建物の床下に設置できるようにし,さらに新築ではなくリフォームでも床下点検口などから搬入,設置することが出来る様にしたチューブ型タンクです。
使用法は廃熱となったお風呂の熱をチューブ型蓄熱タンクに溜めておきます。
そして給湯やお風呂の追い炊きをする時に,タンク内の熱を使い熱交換し,お湯を温めることによりお風呂の廃熱を再利用します。

講評

蓄熱方式など不明な点もあり、すぐに製品化というにはいかないと思われるが、チューブ型蓄熱タンクという考え方は、既存の建物への導入等をふまえた斬新なアイディアで、技術とコストが伴えば普及が考えられ評価できる。

企業賞:森田アルミ工業株式会社

title携帯お掃除セット


齊藤 和男
神奈川県

コンセプト

携帯お掃除セットのコンセプト
●街を散歩していると、タバコのポイ捨てや、ファーストフード、スナック菓子の袋、缶、瓶などが歩道や公園に散乱しているのを見て、寂しい思いに成ります。
掃除道具をその為に持ち歩くのは、カサ張るし、大仰な気がします。
『ちょっとした掃除道具が有れば手軽に掃除出来るのに。』と思い今回の[携帯お掃除セット]と考えました。
● 町を綺麗にする事は、環境美化を行う事だけで無く、軽犯罪を抑制し、自分たちの街を安全にします。
● 秋になれば、歩道や公園、神社仏閣などに落ち葉が溜まります。
落ち葉を、この[携帯お掃除セット]にて集め、持ち帰り、腐葉土やたい肥にすれば、一石二鳥のエコロジーとなります。
● この[携帯お掃除セット]を肩に掛け持ち歩いても結構ですが、リュックサックに入れても、薄くまとまっているので邪魔に成りません。
● 用具内容は(1)携帯バッグ (2)ジョイント式・長柄ホウキ (3)折畳み式・塵取り (4)ゴミ挟み (5)45Lゴミ専用ポリ袋(小ポケットには小袋も入れられます。)
● エコで安心・安全・清潔な街づくりをしましょう。

講評

歩道など身近な場所の清掃を助ける道具、一見すると「エコ」とは直接的な関係がないと思われるかもしれない。しかし、ゴミ拾い自体が一つの習慣へと発展していった場合に社会に与える影響を評価した。ゴミ拾いのムーブメントの結果として、街並みが美しくなると同時にエコロジーの根源である、生活の在り方にも変化を及ぼす可能性があると感じた。CSR(企業の社会的責任)を重要視する弊社においても、市場を占有するためのだけのデザインではなく、社会の在り方そのものを変えていくデザインを求めている。その観点から今回の提案に希望と可能性を感じた。

企業賞:山本光学株式会社

titleWING cycle helmets


小嶋 健一
福岡県
(trythink-grid)

コンセプト

近年、ガソリンの高騰の影響か、車ではなく自転車を使用する人が増えてきている。
自転車は動力が乗り手本人であるため大変エコな乗り物だ。
しかし、自転車のニーズが増えるにつれて、自転車を取り巻く環境が悪化している。
交通マナーや盗難事件の悪化もそうだが、特に車との接触事故など、命に関わる問題が激増しているのが現状だ。
そこで、より安全に自転車ライフを楽しんでもらうためのツールを提案する。
サイクルヘルメット『WING』は従来のサイクルヘルメットには無い、高い汎用性と快適性を両立したヘルメットだ。
「気楽に使えるサイクルヘルメット」をコンセプトとしている。
主な特徴としてこのサイクルヘルメットには『折りたたみ』機構が備わっている。
これはスポーツとして自転車を楽しんでいるユーザーだけでなく、日常的に利用するユーザーが、従来の『持ち運びが面倒だから使用しない』という思考を打破し、安全に自転車ライフを送るための機構である。その機構を主軸により使いやすく、毎日快適安全な自転車ライフを楽しむためのサイクルヘルメットを提案した。

講評

エコで環境にやさしい自転車を利用するライフスタイルが広がりつつあり、注目を集めています。自転車を交通手段として活用しているユーザーにとって、安全のためヘルメットは必要なアイテムになります。自転車ライフの中で、使用しないときの持ち運びなどで邪魔になることもあったヘルメットが、簡単に折りたためてコンパクトにできることは大変魅力的であると高く評価します。ただ、商品化については、衝撃吸収性や安全上の課題もあり、現時点では困難と思われます。

企業賞:株式会社ユニオン

title廃タイヤを利用したラバー素材のハンドル


荒木 遥
京都府

コンセプト

エコに対する政策が進む中、廃棄されるタイヤや遺棄されるタイヤが後を絶たない。そのようなタイヤを生かしたドアノブの提案。廃棄されたタイヤをただ処分するのではなく、マテリアルリサイクルを行い、ラバー素材としてのドアノブへと生まれ変わらせる。ドアノブを目にしたとき触った時に普段車で使用されているタイヤであるだけに、リサイクルされた商品であるということをより強く感じさせるのではないか。ドアを挟んで横から見るとタイヤをイメージした形となっている。また、タイヤ本来の溝を模様のようにデザインに生かすように考えた。

講評

ご提案頂いた廃タイヤのハンドルは、素材選定/素材削減の面において環境配慮のメッセージを有すると共に、空間デザインに新しい装飾要素としての可能性を感じます。また、廃タイヤは世界中の自動車文化の発展と共に長年に亘り大量生産、消費されてきた素材で今後も消費され続ける事は確実です。それを再利用(有効活用)する事は環境負荷の低減にも関わりの深いECOな取り組みといえます。フォルムデザインに関しては、様々なアイデアが出てくる可能性を秘めており、今後期待する事ができる可能性を感じました。よってこの度の評価とさせて頂きました。

過去の入選作品

  1. 第1回エコ・プロダクツデザインコンペ2007入選作品
  2. 第2回エコ・プロダクツデザインコンペ2008入選作品